2013-09-01から1ヶ月間の記事一覧

はてなブログ・・・略・・・小説、26日目。

少女の叔母が言ったことを彼女の親友は理解できなかった。その言いようは論理が逆さまですらない。何となれば、自分を拒否したのは少女の方ではなかったのか。彼女がハサミで切り落としたはずの紐を親友は惨めにも自らくっ付けに戻ったのだ。 叔母がワイング…

はてなブログ・・・略・・・小説、25日目。

話が複雑になるからと気を使って、少女の自宅から50mほど距離のあるところに娘を吐き出して帰って行った。もちろん、携帯という文明の利器によってあらかじめ、真夜中という時間帯にも関わらず他人の家を訪問する非常識を乗り越えることができた。 たまた…

はてなブログ・・・略・・・小説、24日目。

娘に急かされてUターンをしたものの、何かわけのわからない濁流に巻き込まれてしまった感を否定できないでいる。少女は、彼女にとってとてもいい友人だと思う。幼いころから知っているが、両家は家族ぐるみの付き合いをしてきたといってよい。それにもかか…

はてなブログ・・・略・・・小説、23日目。

刃物を使って少女が実母を刺したという。 ところが、被害者である、その張本人がぴんぴんな様子で警察署に罷り出たので事件になりようがなかった。もちろん、少女は厳重注意を受けたが、学校で行われる叱責と違ってべつに罰を受けるわけでもないので、あくま…

はてなブログ・・・略・・・小説、22日目。

どうしてあんなことを言ってしまったのだろう?誰もそれを歓迎しないはずなのに。 少女は、心のモニターにそう入力してみた。できるだけ傍らにいる親友の秋波を感じないようにする。吐息がうなじにかかってしまう距離である。たとえ触れていなくても背中に彼…

はてなブログ・・・略・・・小説、21日目。

パトカーが町に入ってネオンサインが月ほどの大きさになって目に入ってくると、必要以上に効いている冷房のせいもあるのか、親友自分の心の温度が下がっていくのを感じた。事の重大性に気付き始めたのである。少女の母親は有名芸能人である。年齢が年齢だけ…

はてなブログ・・・略・・・小説、20日目。

少女は一体何を言っているのだろう。 親友はただただ無理やりに押し込まれたパトカーの中で煩悶していた。おそらくは、サイレンは鳴らしていなかったはずだが、凶悪な点滅は目をつむっても残像として彼女の脳に食い込んでくる。彼女の独善的な主観によれば、…

はてなブログ・・・略・・・小説、19日目。

「ほら、誰もいないって・・はやく出てきなよ、はやくしないとかに血を吸い尽くされちゃうわよ」 少女が促すと親友は一人だけ道路に出て周囲を隈なく、近くの街灯は点滅を繰り返しているのでかなり暗かったので、彼女の努力内において精密に調べた。そもそも、…

はてなブログ・・・略・・・小説、18日目。

よく冷えたコーラが喉元を流れていく。そんな状況を飲む前から想像して勝手に気持ちよくなっていたのだが、いざ、口を缶につけてみると、自動販売機から移動する際に外気の熱気に当てられたのか多少なりとも生ぬるく感じられた。そのことを主張すると、「何…

はてなブログ・・・略・・・小説、17日目。

案の定というか、ほぼ予定通りに少女は別荘の鍵を忘れていた。すでに二人とも自転車に跨っていた。 「そういうことは、もっと前に言ってほしいな」 やる気に水をかけられたような顔で少女は憮然とし顔を見せた。いざ、到着してからポケットに入っていなかっ…